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【昭和・平成・令和】時代の移り代わりとトレンドの間取り

更新日2024.2.25. 住宅 コラム

【昭和・平成・令和】時代の移り代わりとトレンドの間取り


「自由設計で家を建てるなら、自分好みの間取りにしたい!」そう思う方は多いですよね。

間取り次第で生活のしやすさが変わってくるので、家づくりの中でも重要なポイントの一つと言えるでしょう。

今回は昭和平成令和の間取りを見比べ、どのように変化してきたのかと昨今のトレンドをご紹介します。

目次


1.昭和

2.平成

3.令和

4.令和のトレンド5選

5.まとめ

 

1.昭和


こちらは筆者の祖父母邸、竣工昭和54年の間取りになります。

記憶のみで簡単に作ったので、実際とは違う部分もあるかもしれませんが大体こんな感じです。

ポイントは、

①縁側がある

②窓が多い

③ダイニングと居間(リビング)が分かれている

という点でしょうか。

窓と、部屋ごとに仕切りが多いのが特徴的ですね。どうしてこのような造りなのかというと、日本の気候が大きく影響していると考えられます。

地球温暖化がまだ進んでいない時代には、夏場でもあまりクーラーをつけることなく過ごせていたといいますよね。

とにかく風通しを良くし、湿気や暑さを逃がすような作りが昭和の家には表れています。

また、このように軒が大きく突き出している点も最近の家とは違うところですね。

軒は雨や日差しをしのぎ、外壁の劣化を防ぐ役割があります。縁側があり、窓も多いからこその造りとも言えるでしょう。

しかし、このような造りは夏場にはいいかもしれませんが、冬場は寒くてしょうがないですよね…

2.平成


お次は平成。こちらは筆者邸。竣工平成9年の二世帯住宅の間取りになります。

昭和と変わった点は、

①縁側がない

②リビング・ダイニング・キッチンが一部屋にまとまった

③廊下が少ない

という部分です。

縁側がなくなった分、ずいぶんすっきりとした間取りに見えます。

縁側がないということは、部屋は外壁に包まれるということです。

つまり、断熱性能が上がります!

そして、リビングダイニングキッチンが一部屋にまとまり、部屋の隔たりが減りました。

この造りだと冷暖房器具は一つでよくなりますね。

昔は冷暖房器具のない家庭が多かったので、自然の力を借りる前提で、暑さや寒さをしのぐ家づくりがされていたのだと思います。

3.令和


さて、ようやく令和になりました。

こちらは竣工令和5年の平屋の間取りになります。

平成と変わった点は、

①窓が小さくなった

②収納スペースが充実

③ランドリールームの登場

平成とはまた少し変わりましたね。1つ目に、まず窓が小さくなりました。

なぜこのように変化したのかというと、「断熱性」が重視されるようになったからです。

極端な話、家の断熱性を高めるには窓はない方が良いとされています。

建築基準法の採光の問題によって実際にそれは不可能なので、

窓の大きさや数は基準を最低限満たす程度の家が増えました。

 

2つ目、収納の充実。

まず玄関に「シューズインクローク」というスペースがあります。

靴以外にも、外でよく使うようなアイテムを収納できるスペースです。

そして「ファミリークローゼット」。

家族みんなで共有する収納スペースで、一部屋まるっと収納にあてるようなかたちで作られています。

居室のクローゼットには収まらないようなものを置いたり、シーズンオフの服を入れるのに良さそうですね。

 

3つ目は「ランドリールーム」。

ランドリールームは、衣類やタオルを”洗う・干す・畳む”が完結するスペースです。

昔は洗濯物は外に干すのが当たり前でしたが、最近ではドラム式洗濯機の普及や、

室内干し用の洗剤の開発、大気汚染や花粉を気にする人が増えたことなどが影響して

天気に関係なく室内干しをする家庭が多くなったことで「ランドリールーム」を取り入れる家が増えたようです。

また、共働きの家庭が増えたことで、なるべく家事の負担を無くすような家づくりも注目されています。

 

4.令和のトレンド5選


昨今お客様からのご要望でよく挙げられるものや、実際に施工されるものの中から厳選した5つがこちらです。

①オープンキッチン

→対面型キッチンの中でも、リビングやダイニングと壁で遮られていないタイプのものです。

②ランドリールーム

→先にも説明しました、”洗う・干す・畳む”が完結するスペースのことです。

③ファミリークローゼット

→こちらも先にご説明しました、家族で共有できる収納スペースのことです。

④パントリー

→食料やキッチンアイテムを置くのに便利な収納のことです。

⑤ワークスペース

→お子様が宿題をしたり、ちょっと読書をしたい時などに活用されるスペースです。主に、家族が集まるリビングに作られます。

家族でコミュニケーションをとることを重視した開放的な間取りや、家事のしやすい動線、

そして、収納家具を増やすのではなくあらかじめ収納場所を設けることで、住空間がモノで圧迫されないような家を

求める方が増えているのだと感じられます。

「ミニマルな暮らし」や「ヒュッゲ」といった言葉を最近雑誌やテレビで耳にしますが、

「生活の質(QOL)」を上げる暮らしが注目されていることが、昨今のトレンドに反映されていると言えますね。

5.まとめ


いかがでしたでしょうか?今回は時代ごとの間取りと、今の流行についてご紹介しました。

家電や技術の進化、世の中の動きなどが影響して家庭のあり方が変化していくのと同時に、

より良い生活を求めて間取りも変わってきていることがわかりました。

そして反対に、対面型キッチンのように、平成から変わらず令和でも人気の施工も存在することがわかりましたね。

皆さんも実家の間取りを思い出してみると、今後自身の生活しやすい間取りを叶える手掛かりになるかもしれません。

 

筆者:(株)コスモホーム マーケティング部 中川